『怒り』小説と映画

読書の好みは近代日本文学なのだけど、時々ドキドキしたりゾクゾクしたりするような小説を読みたくなります。しかし私は臆病者なので、そういう小説の場合は読んでいてもラストがどうなるのか気になって不安で落ち着かなくてソワソワしてしまいます。一気に読了できないときは、ついつい解説とか時には後ろのページを先に読んでしまう、推理小説の読者としていけないタイプなのです…。

そんな私が最近読んだのは吉田修一『怒り』。書店で平積みされているのを見て気になって購入しました。

以下、内容に触れているので、知りたくない方はご遠慮くださいませ。 

怒り(上) (中公文庫)

怒り(上) (中公文庫)

 
怒り(下) (中公文庫)

怒り(下) (中公文庫)

 

 はじめて読んだ吉田修一作品、ハラハラして最後まで読み進むのが疾走する感じに似て心地良かったです。でも、凄惨な事件現場の描写や犯人の得たいの知れない不気味さはおぞましかった。結局、事件の真相は解明されないので、すべては判らないまま。犯人が本当はどういう人なのかも判らない。だからこそ残虐な犯罪と善良な人々に溶け込んで普通に生活している姿とが結びつかず、そこにゾッとします。

タイトルにもなった「怒り」もどういうことなのか考えさせられます。読み進めていくにつれ、人を信じることの難しさについて書かれているような気がして…。人を疑うのは容易なのに、人を信じるのはこんなにも難しい。相手を信じられなかった自分に対する怒り、無関係な人に八つ当たりのようにぶつけた幼稚な怒り、信じていた人が自分の思っていたような人ではなかった、自分を信じてくれなかったった悲しみ、やり場のない怒り、それとも…?

この小説、映画化されるのですね。キャストを見て驚きました。小説を読んでいるときは犯人と、それと疑わしき三人の男を同じ顔だと思って読んでいたので、まさか三人の俳優が演じるとは。面白そうなので映画も観てみたい。 

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中でも楽しみなのは妻夫木くんと綾野剛のゲイカップルです。妻夫木くん、この役ぴったりだと思う… 既に妻夫木くんを当てはめて読んでいました。

母と息子のふたり夕食 3月上旬編

こんなこと言い訳にしてはいけないと百も承知ですが、仕事が忙しくてごはん作りが適当です。もう休みの日に常備菜を作る余裕がない。息子のお昼寝時間には一緒に寝たい。でないと私の身体が持ちません。

…という今月上旬の母と息子の夕食風景です。

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この日は三月三日、雛祭り。我が家でたったひとりの(元)女の子の為に、それらしいメニューにしてみました。初の手毬寿司のつもりでいたのだけど、ちょっとサイズが大き過ぎた…しかも息子は刺身を好まないので、スモークサーモンの上に載せるアボカドとかイクラとか買っていたけど、自分ひとりのためにデコレーションする気力はありませんでした。鯛といきたいところだったけれど、予算的に赤魚の粕漬け、菜の花とベーコンのソテー、お吸い物ではなく息子リクエストのワンタンスープ。

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鯖の塩焼き、ピーマンの煮浸し、コーンと豆のサラダ、釜揚げシラス、麦ごはん、前日の残りワンタンスープ。

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豚肉白菜えのきネギの中華風炒め煮、作り始めて片栗粉がなかったことに気づいてサラリとした仕上がりに…。菜の花と卵の炒め物、麦ごはん。

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息子にはリンゴとハチミツでお馴染みのカレーとトマト、私はレトルトのバターチキンカリーにアボカド、林檎とハムときゅうりのマカロニサラダ。洒落たお酒(?)が飲みたくて、トマトジュースでレッドアイにしてみました。写真の左上にはトマトをつまもうとしている息子の手が写っています。

まだまだ大人と一緒のカレーは息子には無理なので、途中で分けて大人用と子ども用のカレーをふたつ作るのですが、正直めんどくさくて…(ダメな母です。すみません)。かといって、子どもと同じカレーは大人が楽しくない。なので私は今回レトルトにしてみました。レトルトといっても今は種類も豊富でおいしいのがあるものですねー(その昔はボ○カレーとかク○レカレーとか、ほんっとおいしくなかったので絶対食べなかったのですが)。

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玉ねぎベーコンしめじのビーフン、炊飯する時間がないときの強い味方です! きゅうりとカニかまスティック、笹かまを頂いたので、筋子をのせてみました。

帰宅してから夕食準備するのが時間との戦いになっているのですが、そんなに大変なら時々は外で食べてみようかな… と思うことも。まだ息子とふたりで夜の外食って経験ないのです。

花の咲く庭

私、生まれてこのかた集合住宅暮らしだったので、今の住宅街の一軒家に住みはじめてからというもの、周りのお宅のお庭が新鮮で、とても気になるのです。

我が家の場合、私が虫は苦手だし土いじりして汚れるの嫌だし…という訳で、庭らしい庭を造らなかったのですが、確かに自分で手入れをして花を育てるというのは始める前から無理だと自覚しているけれど、それでもやっぱり花の咲く庭に憧れる。春になって、様々な蕾をつけたりほころんだりする花を見るにつけ、そう思います。

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この季節、目をひくのは乙女椿。もともと椿は好きな花です。椿の木があるお庭に憧れます。あと、梅と木瓜が揃っていたらパーフェクト! 我ながら渋いセレクトだと思います。笑

もう少し季節が進んだらチューリップとか薔薇の咲く庭に憧れて、梅雨になれば紫陽花のある庭が素敵だと思う。整然とした庭だけでなく、花が咲き乱れる野趣あるれる庭も野生のロマンチシズムに魅了されます。

春から夏にかけては花の種類も多いし濃い緑が美しいし、植物のある庭が生き生きと見える季節ですね。自分で庭の手入れしたり花を育てている皆さま尊敬しております。これからも通行人の目を楽しませてくださいませ…。

多忙

今、仕事がとても忙しいです。辛い。

今月から新体制になったのでそれが辛い。月はじめからインフルエンザだの胃腸炎だのお子さんの体調不良だので休む同僚が多いので、お互い様だし仕方ないと思いつつ、その分仕事が辛い。勤務時間中に終わらない仕事があるので(時短の辛さ…)、やむをえずランチタイムに処理することが多く、辛い(休憩中は休みたい)。残業できないので早出出勤するのが辛い。締め切りに間に合わないので資料作りなどの仕事を家に持ち帰る羽目になり、5時起きしてやってみたけれど、仕事は捗ったけれど早起きは私の身体が辛くなり、3日でギブアップ(睡眠時間は足りている筈なのに不思議ですね…)。

…と、私の立場上、職場では上記の文句を言えないので、発散する場がないのが辛すぎて、ここで愚痴ってみました。はあー。

そんな近況なので、おいしいおやつで気分転換… という余裕もありません。ハーゲンダッツで贅沢するのが精一杯です。

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ハーブアイスクリームなのですね。私、もともと花とか草とかを食べること(勿論食べられるもの限定です)が好きなので、このアイス好みでした。息子も食べたがったのでひとくちあげてみたら、すっごい顔していました。笑

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去年はまったじゃがりこのうにクリーム、買いだめしていたのですが、賞味期限が迫ってきたので名残惜しみながらおいしく頂きました。また再販されますように!

大人の映画 子どもの映画

先日、ひとり休日だったので映画を観に行きました。タランティーノ最新作『ヘイトフル・エイト』。三時間近くに及ぶ長編映画ですが、意外と長さを感じなかった… あ、でも、お手洗いは行っておいた方がいいですよ!

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西部劇の密室ミステリーというのでしょうか。南北戦争後のアメリカ、背後から迫りくる吹雪を逃れようとワイオミングを走る馬車。雪を避難するために馬車から店に移っただけという限られた空間で映画が繰り広げられるので、まるで舞台のよう。登場人物の会話で進む前半は穏やかで派手な動きはないのだけど、登場人物というのが賞金稼ぎだの首吊り処刑執行人だの女極悪人だの自称保安官だの曲者ばかりなので、この静けさがいつ暴力的に壊されるのか、ハラハラしながら観ていたので、ちっとも気が休まりませんでした。笑。

4章から一気に動き始め、血しぶき、血みどろ、めくるめく殺戮のオンパレード。凄すぎて寧ろ爽快なくらいだけど、映画のあとにランチしようと思っていたけれど見事に食欲なくなっていました…。

8人みんなの誰が本当のことを話しているのか判らないし、素性も怪しいし悪そうだし、どうなるのかラストまで目が離せませんでした。見てのお楽しみ、とはまさにこのこと。悪趣味だとか悪ノリだとか思うところもあったけれど(好きな方にはそこがたまらないのだと思うけれど)、黒人差別に対する怒りを感じました。結構、社会的なメッセージが込められているのかも。

そしてその数日後は息子とふたりで、ドラえもんの『新・のび太の日本誕生』を観に行きました。

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私、ドラえもんの映画を観るのはじめてです。大人になってもまだまだはじめてを経験できるのが、子育ての良いところですね。

ドラえもん大好きな息子、でも見ると夢中になって呼び掛けても返事しないし、のび太の真似して「えー、オレ勉強しない、勉強きらい!」とか言って、せっかく楽しくやっていたドリルを広げなくなっていたので見るのを禁止にしたのです。私ものび太の自分では何もせず泣きついてドラえもんに頼るところが好きじゃないので(時々そういう展開のときありますよね…)、息子にはそういうことしてほしくないと思っていたのも見せるのをやめた理由のひとつ。でも、さすがに映画ではそんな展開しないだろう…と思って、観に行くことにしました。実はとーっても観たがっていたらしい息子は大喜びでした。
息子は途中で歓声をあげたり、クライマックスの戦いの場面では「ここ観たくないの…」と顔をそむけて可愛いこと言ったりしてましたが、終わった途端に「もいっかい観たい!」と言うくらい楽しんだ様子。でも目をこすっていたから涙ぐんでいたようです… もうそんなお年頃になったのね。と思って私もジーン…。

帰り道に何度も何度も「ドラえもん面白かったね!」と言っていた息子。実は私も楽しみました。面白かったし感動的だった! 上映30分前にチケット買おうとしたら、ふたり並んだ空席はもう僅かしか残っていないほど大盛況で、ロビーで待っている間に保育園のお友だちにも遭遇。みんなドラえもん大好きなんですね。子どもだけでなく大人も楽しめる映画でした。

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Amazonから届いた箱もドラえもん箱!(しかし中身はドラえもんと無関係)

 

gaga.ne.jp

doraeiga.com

5年

東日本大震災から5年。今日は寒いので、あの日も寒かったことを思い出した。

東日本で生活する人にとって、あの日からいろいろなものが変わった。私自身のことで言えば、あの日がなければ息子はいなかった。5年前のあの日も私は仕事が休みで、スーパーで買いものして歩いて帰る途中だった。浜松まで車で日帰り出張に行っていた夫は渋滞やら規制やらで翌日まで帰ってこれなかった。5年後の今日も私は仕事が休みで、今日はあのときはいなかった息子と一緒に過ごすことができた。

息子は4歳になった。息子の成長ぶりを見ると、あっという間の年月だと思うけれど、同じ年月でも被害の大きかった北関東~東北があの日から復興したかといえば、あっという間とは言えないだろう。

日本中の子どもたちの未来が明るいものでありますよう、願ってやみません。

 

母と息子のふたり夕食 2月中旬&下旬編

月半ばを過ぎるとスマホに速度制限警告がくるので(動画とか全然見てないのにどうして…?)、規制されないよう、必要最低限なことにしかスマホを使わないように細々と暮らしているため、写真アップが滞っておりました。

でも、こうして改めて写真で見ると、なんとまあ同じ食材ばかり。レパートリー増やさねば… と反省。

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息子が今よりもっと小さかった頃に大好きだったチキンナゲット、思い出して久々につくりました。じゃがいもチーズ焼き、浸し豆、レタスの塩昆布和え。

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仕事の帰りが遅くなってしまったときはハムかベーコンか常備してある加工肉のお世話になります。ケチャップライス、息子にはプチトマトにキャンディチーズも。つくりおきの浸し豆があったので助かったー。

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豚の生姜焼き、きのこ炊き込みご飯、セロリとちりめんのきんぴら、トマトがなかったらブラウンメニューでした…。

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ソース焼きそば、小松菜のおひたし、トマト。息子はお好み焼きやたこ焼きは好まないのに、ソース焼きそばなら大好きです。麺類そのものが好きというのもある…。

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鶏ひき肉で親子丼、小松菜の炒め物、いぶりがっこを頂いたので、クリームチーズと混ぜてポテトサラダに入れたら超絶おいしかった! 私のテンションがあがりました(息子の反応は微妙でしたが…)。たまには親が喜ぶ食べ物が食卓にあがってもいいのだ!

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久しぶりに煮魚つくりました。鰯の生姜煮。息子が嫌がったら…の保険として、息子にはウインナーを用意。シラスおろし、彩りに必須なプチトマト。

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鶏ささみフライ、付け合せは私にはクレソンときゅうりを合えたサラダ、息子にはリクエストの“棒のままのきゅうり”とトマト、きんぴらごぼう、、麦ごはん、じゃがいもポタージュ。

ささみフライ、はじめて作ったけれどすごくおいしく出来た! 揚げ焼きで充分なところも助かります(がっつり油で揚げるのは片付けも大変で…)。

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鮭の塩麹漬け、たらこ入りポテトサラダ、たらこ白滝、麦ごはん、息子には「今日は切って」と言われたのでカットしたきゅうり(棒のまま齧ることに憧れていたらしいけれど、実は食べにくかったらしい)。

たらこ消費祭りでした。しかし、息子はたらこやイクラを好まないので(私は魚卵大好きなのに)、結局は私が全部食べることに。息子は鮭とお味噌汁でごはんをたいらげていました。粗食、万歳!

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ゆでたまご添え(炒り卵を作る余裕もなくて…笑)鶏そぼろごはん、息子にはプチトマト、私にはトマトとバジルを合えてトリュフ塩をパラリ。えのきと蒟蒻のおかか炒め、じゃがいもとたまねぎの味噌汁。

少し前までピーマンときのこ類の消費に追われていたので、それを使ったメニューが頻繁に登場していましたが、このときはじゃがいも! 写真を見返すと、どの食材が沢山あって、消費に追われていたか判るので面白いですね。というか、メニューや食材が偏っているから面白がっている場合ではなく改善しないと!